過食症にかかっている人は、周期的に制御しがたい空腹感に襲われ、食べ物を激しく過度に食べます。
過食症は拒食症と同様に、愛情をめぐる問題がある時に起こります。ただし、過食症は「母親を食べてしまいたい」という思いの表れです。
過食症は母親から自立したいと思いながらも、母親がそばにいないとどうしていいか分からなくなって、母親の存在がどうしても必要になる、というタイプに見られる病理なのです。
また、過食症になる人は母親が全ての空間を占めようとしていると感じてもいます。そのために、母親がその人の父親に対する愛さえも禁じようとしていると感じます。
ですから、ものすごい怒りを心の中に抱え込んでいます。過食症になった人は愛することを自らに禁じており、また母親を認めていません。特に母親の中の女性の部分を認めていないのです。したがって、過食症になった人は女性の場合でも、男性の場合でも自分の中にある「女性性」を受け入れることが出来ていません。
もし、あなたが過食症に苦しんでいるとしたら、幼い時にあなたは、お母さんがあまりに多くの空間を占めすぎいると感じていた可能性が高いと言えるでしょう。あるいは、あなた自身がお母さんの人生のあまりにも多くの空間を占めすぎていると、感じていたかもしれません。
あなたの一部は、お母さんを望んでいませんが、あなたの別の一部は、お母さんから見捨てられるのではないかと恐れています。
あなたが過食の発作に襲われている時、お母さんに見捨てられるのではないかと恐れているあなたの一部が、あなたがお母さんを無視してきた全ての時間を何とかして一気に取り戻そうとしているのだ、考えられます。
さらに、あなたはお母さんとの間で、何か非常に屈辱的な思いをしたことがあるはずです。ですから、あなたのお母さんに対する反応は正当なのだと認める必要があります。自分の心の中をありのままに、率直に見る必要があるのです。
そうすれば、お母さんもまたあなたと同じ経験をしてきた、という事が分かるはずです。
また、お母さんはあなたが思っているよりもはるかに深く、あなたを愛しているということが分かるでしょう。
あなたとお母さんの間であったことが問題なのではなく、あなたがそれをどう捉えたか、ということか問題なのです。